1971年に発表されたElton John(エルトン・ジョン)の名曲『Tiny Dancer』について語ります。興味がある人は読もう。興味がない人はバードウォッチングでもしてください。
作曲したり曲の構成について考えたりするのが好きなので、音楽に対してある程度の知見があるんですが『Tiny Dancer』のコードワークや構成はすごい。48年前の曲なのかこれ。
- Bridgeに突然の転調
- 2番は1番の繰り返し
- サビは基本1フレーズの繰り返し
- 繰り返してばっかだから1曲6分超え
「本当に好きなん?」という悪口から始まる批評ですが、この繰り返しがこの曲のミソ。
音楽において繰り返しって本当に大事な要素の一つで、例えば出会って早々悟空がフリーザ倒したら楽しくないじゃないですかって話で何回も繰り返し闘うから勝った時に感動が生まれるわけです。
一回ぶっさすだけじゃ気持ちよくないですよね?繰り返し出し入れするから気持ちがいいわけでセッ(以下略)
というわけで厳選した7つの音源だよ!
CD音源はCD音源で好き。ライブ音源はライブ音源で特色があって面白い。その時のメンバー構成で色合いがかなり変わってくるので聴き比べるとめっちゃ楽しいです。
モチーフ一緒でも油絵だったり水彩画だったり、画材が変われば「お〜〜〜」ってなるのと一緒です。
全部YouTubeからの引用です。タイトルをそのままYouTubeの検索欄にコピペすればいいと思います。
著作権についてですがイギリスは先進国なので、再生するごとにレーベルを通してElton側に収益が行く仕組みが整っています。心配無用。
歌詞とか和訳とか知りたい!て方は各自で調べよう!僕はお母さんじゃないので何でもしてあげないよ!
Elton John – Tiny Dancer
「Madison Square Garden」で行われた『Greatest Hits One Night Only』というコンサートのテイク。クレジットを見る限り2003年のものらしい。
『Tiny Dancer』ってどんな曲?どの音源を聴いたらいいの?って聴かれたら真っ先におすすめするテイク。
- VerseBのリードギターのオブリガートが気持ちいい
- とにかく気持ちいい
- ウニュ〜〜〜ってやつ
- 脳のコリをほぐしてくる
- あ〜〜〜そこそこそこ!ってずっとなる
- Chorusのフルート+バイオリンのワンフレーズも素敵
- とにかく素敵
- 主旋律を歌うChorusのバックコーラスが重厚
コンサートごとで様々な表情を見せる『Tiny Dancer』において最もクセがなくて聴きやすいテイクだと思います。
Elton John – Tiny Dancer (Live in Sydney with Melbourne Symphony Orchestra 1986) HD
1986年のテイク。Eltonの被り物が完全にオーケストラいじっててウケる。
- ドラムのスネアがめちゃくちゃ重たい
- コーラスが重厚
- ちょっとテンポ速い
- コンガ?みたいな高音域のパーカッションが気持ちいい
- 3:57から無音
- 3:57から無音
- 3:57から無音
は?3:57から無音。は?
Elton John – Tiny Dancer (The Million Dollar Piano | 2012) HD
- タンバリンが印象的
- 緊張してんのか知らんけど出だしの「Blue Jean baby」がめっちゃ強い
『ステージピアノはハイエンドなスポーツカーのような特別なものであってほしい』というElton Johnのオーダーメイドピアノが使用されたコンサートでのテイク。
このピアノ、本体が透明のアクリルでできていてLEDモニターを内蔵してる超ハイテクなピアノ。カメレオンみたいに背景に溶け込めるらしい。メタルギアソリッドの世界観。
Elton John – Tiny Dancer (60th birthday).avi
- ボーカルに力が入ったテイクで好き
- 楽器構成がシンプルでサビのグロッケンのフレーズが珍しい
- VerseBのバッキングギターが気持ちいい
これが60歳か〜こんな60歳になりたいわ〜と思う。
Elton John – Tiny Dancer Solo Live @ Oprah Winfrey 16-04-2010 HD
- 録音音質に癖あって高音域が強め
- ピアノのアタックも強い
- ピアノ一本の弾き語り
- 4:54あたりで音が飛ぶ
動画にリリックの字幕がつくため歌詞を覚えるには便利。
Elton John – Tiny Dancer (Central Park 1980)
Elton Johnがドナルドダックのコスチュームで登場したかなり有名なテイク。
- ピアノとギターとベースとドラムだけの構成
- VerseとBridge、Chorusに一貫性があってバンド感めっちゃある
- Elton JohnがChorus部分で主旋律を歌ってて貴重
- めっちゃ裏声綺麗でビビる
- ピアノとギターとベースとドラム全部とにかく忙しい
演奏力の高さが光るテイク。このテイクが好きなら『Elton John – Tiny Dancer (Live in Sydney, Australia 1984) HD』もいい感じ。どうやったらTiny Dancerっていい感じになるんだろう?って探ってる感じが楽しい。
Elton John – Tiny Dancer – Live at Colosseo, Rome, Italy – Remaster 2019
最新のテイク。72歳の歌声ってこんなに力強いものかって思う。本当にすごい。
- ピアノだけの弾き方り
- 重低音が強い歌声
- 『聴くTiny Dancer』って感じがする
- Bridgeラストの「Slowly」の叫びが最高
ライセンス取ってないっぽいのでもしかしたら消されるかも。
【番外編】Tiny Dancer by A Song for Lily-Mae
とある少女のために集まった300人を超える人々が集まって歌う『Tiny Dancer』。
- とある少女とは小児がんの難病に罹ったLily-Maeさん
- Lily-Maeのことを知ってもらうためのプロジェクト『A Song for Lily-Mae』の歌唱
- 大体いつ聴いても僕は泣く
- 300人のChorusがすごい、そしてこの曲の受け皿が広いことに気づかされる
- 4:04のコクっが好き
- 多分「tiny dancer in my hand」って歌ってるのお父さん
- Chorusで画面には映らない「ひかり」が見える
Tiny Dancerてこの子のためにあるのか、と思ってしまうくらいの名テイク。Lily-Maeさんはバレリーナの娘。将来はバレリーナになるのが夢らしい。このプロジェクト自体が本当に粋でカッコイイ。
このテイク、そして背景などを知った後で『Tiny Dancer』を改めて聴くと歌詞の意味が違って伝わってくる。
男と女の恋愛模様を歌った内容かと思いきや実は違う。可愛いダンサーとは自分の娘であり、これから訪れるであろう無数の選択肢や胸が痛むほどの恋愛、素敵な仕事に出会うであろう余白に向かう、可愛くて愛おしいたった一人の『あなた』に向けた曲だったことに気づく。
Lily-Maeさんが今どこにいてどんな生活をしているのか、ネットを探っても出てこないのが気がかり。とにかく、この曲を歌い続ける人が永遠にいてほしい。
このプロジェクトのことを知ってから『Elton John – Tiny Dancer – Live at Colosseo, Rome, Italy – Remaster 2019』を聴くと、Lily-MaeさんのためにEltonが歌ってるような気がしてならない。もう涙腺がTIny Dancer。バードウォッチングしてきます。
[…] この記事で語ってるので割愛。2019年はこの曲を聴きながら閉じようと思います。 […]